梅雨や夏場の高温多湿な時期は、体感温度が上がりやすく、汗や湿気による不快感がつきまといます。気温以上にジメジメとした空気のせいで、肌に衣服が貼りついたり、動くたびにムシムシと感じたりすることも多いのではないでしょうか。
そんなストレスを少しでも緩和するためには、「通気性の良いウェア選び」が欠かせません。適切な素材のトップスやボトムスを身につけることで、汗を素早く吸収&発散し、快適な着心地をキープしやすくなります。湿度の高い時期は、とくに汗ジミやニオイにも注意が必要ですから、通気性だけでなく、速乾性や吸水性にも目を向けるとさらに効果的です。
本記事では、ジメジメとした季節におすすめの素材を中心に、「どんなトップス&ボトムスを選べば快適に過ごせるのか」を詳しく解説していきます。素材の特徴やコーディネートのコツなどを押さえておけば、憂鬱な雨の日や暑さの厳しい日でも、軽やかなファッションを楽しむことができるでしょう。
通気性の良い素材と聞いて、まず思い浮かべるのがコットン(綿)です。自然素材ならではの吸湿性に優れ、肌触りがやわらかいため、汗ばむ季節でも快適に着こなせるのが魅力となっています。
コットン素材のシャツやTシャツは、多くのブランドから展開されており、種類やデザインも豊富。カジュアルからビジネスカジュアルまで幅広く対応できるため、幅広いシーンで活躍してくれます。特にオーガニックコットンは化学肥料や農薬の使用を抑えて栽培されるため、環境に配慮したい方や肌が敏感な方にもおすすめです。
しかしながら、コットンは通気性が良い反面、汗をかいたままの状態で放置すると乾きにくく、ベタつきを感じやすいというデメリットもあります。ジメジメした季節には、コットン100%の厚手生地を避け、コットン×リネンなど、異素材ブレンドのアイテムを選ぶと速乾性が向上し、不快感を軽減できるでしょう。また、汗ジミが目立たない淡い色や柄物を選ぶのもテクニックのひとつです。
夏の定番素材と言えばリネン(麻)を思い浮かべる人も多いでしょう。リネンは通気性と速乾性に優れており、汗をかいても比較的すぐに乾きやすい点が大きな特徴です。さらに、独特のシャリ感があり、肌にべったりくっつきにくいため、まとわりつく不快感を軽減してくれます。
リネンシャツやリネン混のパンツは、暑い時期でも風通しがよいので、外出時だけでなく在宅ワーク中のリラックスウェアとしても重宝します。また、洗濯するほどにやわらかな風合いが生まれ、長く愛用できる点も魅力的。
一方で、リネンはシワがつきやすく、アイロンがけなどのお手入れが必要になるケースがあります。最近では、シワ感をむしろ味わいとして楽しむファッションもありますが、ビジネスシーンで着用する場合はシワが目立たないタイプのリネンブレンドを選ぶと安心です。コットンやレーヨンなどが少し混紡されているだけでも扱いやすさが格段にアップします。
自然素材は肌触りや風合いに優れていますが、化学繊維のなかにも「ジメジメ対策」に効果的な素材があります。たとえばポリエステルやナイロンなどは、速乾性に優れたものが多く、スポーツウェアにも幅広く使われています。
高機能スポーツウェアに使われる素材には、吸汗速乾に特化した特殊加工が施されていることもあり、汗を素早く吸い上げて表面へ拡散し、気化しやすくしてくれます。これによって、肌がベタつく前に水分が蒸発し、快適な状態をキープしやすいのです。
一方で、化学繊維は静電気が起きやすい、肌によってはかゆみを感じるなどのデメリットがある点には注意が必要です。選ぶ際は、ソフトタッチ加工が施されたものや、肌への負担を軽減する加工を行っているアイテムを探してみるとよいでしょう。また、普段使いのファッションとしては、デザイン面で好みが分かれることもあるため、用途に合わせて選ぶのがおすすめです。
レーヨンやキュプラといった再生繊維系の素材は、吸放湿性が高く、なめらかな肌触りを持つ点が特徴です。シルクのような光沢感や落ち感が生まれやすいため、上品な印象を演出したいときにもぴったりでしょう。
特に、レーヨンとコットンをブレンドした生地は通気性を保ちながら、しっとりした質感と程よい伸縮性が加わり、ジメジメした気候でも快適な着心地をキープしやすいです。キュプラは植物由来の繊維を原料とし、吸水性に優れているので、汗をかいてもサラッとした肌触りが続きます。
ただし、レーヨンやキュプラは水分を含むと縮みやすい、シワになりやすいなどの弱点があるため、洗濯方法には気をつける必要があります。洗濯表示を守りつつ、できれば手洗いか洗濯ネットを使用してデリケートに扱うと長持ちさせやすくなります。
トップスだけでなく、ボトムスの素材選びも重要です。特に下半身は汗や湿気がこもりやすい部分であり、通気性の悪いパンツやスカートを履いていると蒸れてしまいがち。
夏や梅雨の時期には、コットンやリネン、レーヨンなどのブレンド生地を採用したワイドパンツやスカンツが人気です。ゆったりとしたシルエットだと足元から空気が入れ替わりやすく、汗ばむ季節でも快適に過ごせます。リネン混のデニムパンツなど、カジュアルでありながら通気性を確保しているアイテムも注目度が高いです。
また、タイトなシルエットのボトムスを選ぶ場合は、ストレッチ素材など通気性を高める加工が施されているものがおすすめです。履き心地が向上し、動きやすさもキープできるので、通勤や外出が多い方に向いているでしょう。裏地にも注目して、必要以上に重ね布が入っていないかなどチェックしてみると、ムレをさらに防ぎやすくなります。
素材選びだけでなく、アイテムの組み合わせや着こなし方もジメジメ対策には有効です。トップスは袖がダボつきすぎないデザインを選び、脇周りの通気を確保すると汗ジミ対策にもつながります。
特に湿度の高い時期は、重ね着を避けて一枚でさらりと着られるアイテムを選ぶとベタつき感が減り、風が通りやすくなって快適です。ボトムスは、風通しのよいワイドシルエットか、動きやすいストレッチ性のあるものを取り入れましょう。全体のコーディネートを明るめのカラーでまとめると、視覚的にも涼しげな印象を演出できます。
さらに、インナーにもこだわると効果的です。機能性インナーの中には、吸汗速乾機能の他に抗菌防臭機能を備えたものがあり、ニオイ対策にも役立ちます。夏場や梅雨どきは洗濯物が乾きにくいこともあるので、こうした高機能素材を積極的に活用してみると便利です。
湿度が高い季節を快適に過ごすためには、通気性に優れた素材のトップスやボトムスが大きな味方になります。コットンやリネンといった自然素材は肌触りが良く、化学繊維や再生繊維は機能性が高いため、それぞれの特徴を理解したうえで、自分のライフスタイルに合ったアイテムを選んでみましょう。
特に、汗をかきやすい部位や着用シーンを考慮することで、最適な素材がより明確になります。通勤・通学向けには速乾性とシワになりにくさ、休日のリラックスシーンには通気性と肌触りの良さなど、目的に応じてベストな組み合わせを見つけると、ジメジメした時期でも気持ちよくファッションを楽しめるでしょう。
着こなし方やコーディネートの工夫もしながら、汗や湿度によるストレスを減らしていくと、雨の日でも晴れの日でもラクに過ごせるはずです。ぜひ本記事を参考に、自分にぴったりの通気性抜群素材を探してみてください。快適さとおしゃれを両立できれば、湿度の高い季節も怖くありません!