台風シーズンになると、激しい雨だけでなく、突風や強風が吹き荒れる日が増えます。折り畳み傘が一瞬で壊れてしまったり、帽子やフードがあっという間に風に煽られて脱げてしまうなど、毎年何かと苦労を感じる方も多いのではないでしょうか。特に外出時の服装によっては、思わぬトラブルを招きやすくなります。
だからこそ、台風シーズンを無難に乗り切るには「強風対策」が欠かせません。防水性のあるレインウェアを用意するのも大事ですが、同時に「風に飛ばされない」「バタつきにくい」アウターや帽子を選び、着こなしや使い方を工夫することが重要です。
本記事では、強風のなかでもストレスを最小限に抑えられるアウターや帽子選びのポイントを徹底解説します。通勤・通学や普段使いに役立つ情報から、アウトドア・レジャーシーン向けのテクニックまで、幅広いヒントを盛り込みました。台風や大雨の際にも、できるだけ快適に過ごせるよう、ぜひ最後までチェックしてください。
激しい風が吹く台風シーズンに活躍するアウターは、防水性や防風性を備えているだけでなく、「ゆとりのあるサイズ感」がポイントになる場合があります。体にピタッとフィットしすぎると、風の吹き込みで内部が蒸れやすくなったり、動きにくく感じたりすることがあるからです。一方で、あまりにも大きすぎると、生地がパタパタと暴れやすく、逆に風で引っ張られる原因にもなるでしょう。
理想的なのは、アウターを羽織った際に「シャツや薄手ニットを着てもまだ少しゆとりがある」くらいのフィット感。フロントファスナーやスナップがしっかり閉められるタイプであれば、風が入り込む余地を減らし、体温を守りつつバタつきを軽減できます。
また、首回りにストラップやベルクロが付いているモデルだと、フード部分を固定して顔周りのホールド感を上げることが可能です。突風が吹いてもフードが脱げにくくなるうえ、雨風の侵入を防ぎやすいので、台風が近づくタイミングには心強いアイテムとなるでしょう。
台風シーズンのアウターには、防水性だけでなく防風性にも注目するとより快適に過ごせます。撥水加工が施されたナイロンやポリエステルの生地は、水分を弾く力が高く、さらに裏地に防風メンブレン(薄膜)を貼り合わせてあるタイプを選べば、冷たい風が内部に通り抜けるのを大幅に防ぎやすくなります。
アウトドアブランドが提供しているハードシェルジャケットやレインジャケットの多くは、優れた防水・防風性を備えているため、台風シーズンに大活躍します。特に高機能素材を採用したウェアであれば、汗や湿気を外に逃がす透湿機能も期待できるので、ムレによる不快感が少なく、衣服内環境を快適に保ちやすいのが特徴です。
ただし、あまりに高機能なジャケットは価格も高めになりがち。購入予算が限られている場合は、必要なシーンや頻度をしっかり考えたうえで選びましょう。短時間の外出なら軽い撥水加工で十分な場合もありますし、長時間外にいるなら防水・防風性能を優先したモデルが結果的にストレスを減らせることが多いです。
台風や強風の日は「フードが付いているアウターを選ぶ」というのが一つの定番対策ですが、ただフードをかぶるだけでは風に煽られてしまい、結局は役に立たないという声も。実は、フード付きアウターを活用するにはちょっとしたコツがあります。
まず、フードのサイズ調整が可能なモデルを選ぶことが大切です。ドローコードやベルクロが付いていると、頭の形や大きさに合わせてフィット感を調整できるため、強風で引き剥がされにくくなります。次に、フードのツバがしっかりとした作りになっているかもチェックポイント。大きめのツバがあると顔にかかる雨をある程度防げるため、視界も確保しやすくなるでしょう。
ただし、フードに視界を遮られるリスクもあるため、交通量の多い道路などを歩く際にはこまめに首を回して左右確認を行いましょう。また、帽子やヘアアクセサリーを併用したい場合は、フードがかぶれるスペースを念入りに確認しておくと便利です。
台風シーズンだけでなく、年間を通して「帽子が風で飛ばされる」悩みを抱える方は多いでしょう。特に、広めのつばがあるハットタイプは、強風が吹けば吹くほどあおられやすい傾向があります。
帽子の形や素材次第でフィット感は変わりますが、最も手軽な対策はあごひも付きタイプを選ぶことです。ドローコードやベルトで調整できるデザインならば、サイズを微調整しながらしっかり頭に固定できます。キャップ型でも、後頭部にアジャスターが付いていればサイズをキュッと絞れるため、脱げにくさが向上します。
また、髪の毛にしっかりとピン留めして帽子を固定するテクニックも有効です。スポーツ用のヘアバンドやヘアゴムを先に付けてから帽子をかぶると、帽子のズレが起きにくいので試してみてください。突風が吹いたら、さっと帽子を押さえてしまうのも一つの方法ですが、両手がふさがっているシーンでは難しいこともありますので、対策をあらかじめ考えておくと安心です。
強風対策が求められるときは、意外と足元や小物の選び方も重要になってきます。台風が接近している日は、できるだけ荷物をコンパクトにまとめて持ち運ぶのがおすすめです。大きなトートバッグなどは風の抵抗を受けやすいだけでなく、突然の横風で中身を落としてしまうリスクがあります。両肩で背負えるリュックやショルダーバッグなど、身体にしっかり密着させられるデザインを選ぶと手が自由になって便利です。
また、アウターの裾が長い場合は、ウエストベルトや裾のドローコードを上手に活用して、できるだけ身体にフィットさせておくとバタつきを減らせます。移動中、どうしても傘を差さなければならないときは、背中側に風が吹いているか確認しながら、傘を風上に向けないよう意識してください。骨組みがしっかりした耐風傘を使うのも効果的ですが、限界を超えた強風時は無理に差さず、レインコートをメインにするほうがかえって安全です。
台風シーズンにレジャーやアウトドアを楽しむ際は、さらなる注意が必要です。登山やキャンプなど山間部でのアクティビティは、天気の急変や標高による気温差が激しく、体温が奪われやすい環境にさらされることも。強風でテントが飛ばされる恐れもあるため、装備は入念に準備しましょう。
アウターは必ず防水・防風機能付きのモデルを選び、キャップやハットもあごひも付きがベストです。フリースや薄手ダウンのような防寒着も用意し、万が一の体温低下に備えましょう。キャンプでは、大型タープやテントを固定するペグやロープを強化し、風の抜け道を意識して設営位置を決めることが大切です。
また、台風情報や天気予報はこまめにチェックし、安全第一で行動するようにしてください。台風が接近している際の無理なアウトドア活動は大事故につながる可能性がありますので、状況に応じて早めに判断するのが賢明です。
台風シーズンは、どうしても外出が憂鬱になりがちですが、事前にしっかりとアウターや帽子などの装備を整えておけば、強風のストレスを軽減しつつ比較的快適に過ごすことができます。防水・防風を兼ね備えた機能性ウェアや、あごひもや調整機能が付いた帽子を活用すれば、急な突風にも慌てず対処できるでしょう。
また、通勤・通学のように日常的に強風や大雨に直面する場合は、天候が荒れそうな日は荷物を減らし、両手が使えるようにリュックやショルダーバッグにまとめるなど、工夫できる部分は意外とたくさんあります。アウターはサイズ選びから始まり、フードの調整機能や袖口・裾の締め付けなど細部が使い勝手に直結するため、購入時には自分の行動パターンをイメージして検討するのがおすすめです。
台風や強風は自然現象のため、私たちにコントロールできる部分は限られています。しかし「備えあれば憂いなし」。しっかり対策をしておくことで、安全性が高まるだけでなく、雨風によるストレスを最小限に抑えることができます。ぜひこの記事で紹介したコツやアイテム選びのポイントを参考に、台風シーズンでも快適に移動できる装備をそろえてみてください。